平成13年48回学会発表


低エネルギーフランス料理実践の場より報告

−第9報 食事療法への対応3-1 各論 低脂肪フランス料理フルコースの意図−


【提供の目的】

 当ホテルの食事療法者への食事提供の目的は、日常の生活より離れ豊かな自然の中で食する楽しさを呼び戻し、生きる喜びを感じる事にある。それは、治療への意欲を促進することにつながる。


【発表の要綱】

 第9報は「外食を通じた栄養管理」というテーマセッションに選ばれ、高脂血症及び肝臓・膵臓系疾患に対応する、脂質エネルギー比20%以下を基準とした低脂肪フランス料理フルコースについて発表した。真正に食事療法に対応するとは、外食産業の一部門であっても医療機関と同等な食事管理が必需である。低脂肪フランス料理の意図と必要性をホテルでの特殊性を中心に論じた。料理の名称は発音イメージより低脂質フランス料理とせず低脂肪フランス料理とした。高原のホテルの食事は日常の外食とは異なり旅情を演出する重要な商品である。美味しさと美観を両立し更に華やかさが必須となる。適切な脂質摂取量でフランス料理を味わう貴重な料理となっている。


【講演の結び】

 脂質エネルギー比は日常食で25%を超え、社会一般のフランス料理は35%を超える。脂質エネルギー比20%以下とすれば重なる難題が続出する。疾患対応の低脂肪とは何かに比べ低脂肪ではなく、病態に基づく低脂肪食基準に適合するものでなければならない。医療機関でないという安易な妥協はこの種の食事の未来を放棄する事になるのです。