栄養研究室長 大木由枝の近況

甲府看護専門学校講師を退職しました。

 新型コロナウイルス感染症予防の関係で、講義がお休みになっているうちに私は満70歳になりました。
 非常勤講師に定年はありませんが、自分自身のけじめとして満70歳になったら講師を辞退するつもりでおりました。
 70歳を迎えるにあたり学校にお尋ねしたところ、非常勤講師もおよそ満70歳くらいまでとの内規もありました。そこで、計画通り退職する事といたしました。
 ホテルの管理栄養士件共同経営者の職にありながら、50歳から講師をお引き受けして18年間1年も休みなく講師依頼を頂いた甲府看護専門学校に心から感謝しております。退職にあたり、お礼の品も頂きました
 学生の授業評価に「大木先生は、本当に栄養学の講義をするのが好きなのだと感じる。」との評価もあり、「楽しく学べた」との感想が、18年間という長い間講師を務める心の糧となったことに間違えありません。
 「栄養学の好きな看護師を育てる。」この志を胸に、楽しい18年間でした。

令和2年度は甲府看護専門学校講師は新型コロナウイルス感染症のため一時的に授業が休講となっています。
新年度令和3年度は学校からの連絡待ちです。


 平成14年度より、甲府看護専門学校の栄養学担当非常勤講師に就任しています。
 令和2年度も引き続き講師に就任いたします。
 担当教科は例年どうり2種類。看護第1学科(三年制)「治療論W食事療法」、准看護学科「食生活と栄養」です。
 治療論W食事療法は、医療の基本となる医学と薬学に加え、栄養学が著しく脚光を浴びてきた時代に対応し、栄養学をもって参画する疾患治癒の理論に焦点を定め、科学的に論じる授業です。治療論ですから、「高血圧疾患には塩分を6g未満に」など臨床に用いる結果より、「なぜ高血圧には塩分制限が重要なのか」その理論を紐解き(ひもとき)ます。解説という言葉ではなく、紐解くと表現したのは理解の糸口を示し、丁寧に説き結論に導く講義をしたいと心がけているからです。
 准看護学科の授業は、栄養素学の基礎から食事療法まで幅広い知識を担当します。
 看護第1学科はこの春高校卒業した学生を対象としていますが、少ない人数ですが社会人や男性の学生も入学します。
 准看護学科は近年の社会を反映してか、社会人の学生が多くなっています。
 看護第1学科、准看護学科とも、男性の比率が多くなってきていますが、今年度はどうでしょうか?4月16日(火)の最初の講義が楽しみです。。
 男性は自動車をはじめ機械工学の得意な学生も多いのです。最近注目されているロボット工学は、人間の機構を参考にする事で大きく進歩したとされます。工学が得意な男性学生にも栄養学の魅力を十分に伝え、興味を持ってもらうように、栄養学も生化学を基本とした科学的講義が必要です。私は幸い化学が大好きで、エンジニアのパートナーと30年を超えて生活を共にしていますので、以前より工学の分野に大いに興味がありました。心から良かったと思います。
 新たしい資格を得るために白紙よりまじめに勉強する姿は好感をよび、担当講師として一生懸命講義しています。
 看護において食事摂取は重要なポイントです。手術成功の後、患者の回復は栄養管理が主となります。感染症よりの回復も同様です。
 私の生徒は栄養学に興味を持って欲しいと考えます。食事管理する栄養士に患者の食事摂取状況を日々正しく伝えるには、「栄養学の好きな看護師に育てること」このことに勝るものはないと考えております。


  甲府看護専門学校


平成28・29年で日本栄養改善学会評議員を任期満了にて退任しました。

(社)山梨県栄養士会推薦により、平成15年4月1日より日本栄養改善学会評議員に就任致しました。任期満了の年度に評議員として再任しています。今回、再任の任期は、平成30年10月31日までです。もって、この日で任期満了で退任しました。
 もちろん学会はやめません。まだ学会員です。
 日本栄養改善学会は、日本学術会議登録の学会です。
 私は、食事療法を重要とする全ての疾患に対応可能な食事を、ホテルのフランス料理として研究し、社会貢献として実践提供をしつつ、この学会で発表して参りました。学会賞も、この学会で受賞いたしました。
 今後は学会評議員の職務も加え、外食産業における同種類の食事の正しい成長を願って、この分野における社会貢献に更に力をそそぐつもりです。

  日本栄養改善学会


令和5年度も調理師試験受験準備講習会の栄養学講師を依頼されました。

 平成14年度から引き続き(社)山梨県調理師会より、調理師試験受験準備講習会の栄養学講師を依頼されました。
 令和5年9月6日(水)の11時15分から14時まで昼食休憩を含んでいますので工事は2時間の予定です。調理師試験とは数年前まで調理師国家試験と呼んでいたものです。
 資格試験受験準備講座は、受講者の合格を目的としています。調理師の資格を取得してから技術をサポートするリフレッシュ講座などとは異なります。私に求められるものは、受講者が一人でも多く合格する事です。
 試験の解答にはテクニックがあります。出題者の心理を探れば出題傾向を予想する事ができます。出題者が何を問うためにその問題を出題したかを理解できれば、正解を迷う事はないでしょう。
 合格の後、きちんと理論を学習し栄養学の知識を修得する事を前提として、問題の読み方、解答の導き方、試験に対する挑戦の仕方、そして少々気が引けますが正解が判断できない問題の正解を見つける multi technique も講義します。
 傾向と対策こそ私に求められた使命です。昨年の受講者は100名弱でした。今年は何名でしょうか。楽しみです。


平成22年まで山梨県立大学で臨床栄養学の講義を担当しておりました。

 平成22年度まで山梨県立大学 看護学部 で臨床栄養学の講義を非常勤で担当致しておりましたが、平成23年度から県立大学の公立大学法人への組織改正のため、学内の専任講師と交代いたしました。平成23年度は大学院の特別講義に参画し、現役の看護師と大学専任の先生方に頂いた講義課題についてお話しをました。佐藤学部長に聴講して頂いたことは大変うれしいことでした。でも、緊張しました。
 今までの大学での講義依頼は、「生化学の知識を基盤として、生命の維持に不可欠な栄養素の体内における代謝に関する知識を基に、栄養学の臨床的側面について学修する。」という非常に奥深い講義内容でした。
 臨床栄養学は、栄養学の頂点に位置する学問だと認識しています。この講義を担当する事を誇りに思っています。
 大木由枝は大学の講義では、必携図書に医学書院の「新臨床栄養学」を選択しました。この本は医学書です。看護出版部ではなく医学出版部、つまり、医学生や研修医をはじめ現役の医師にも対応できる専門書です。
 管理栄養士の大木由枝が、看護師を目指す学生になぜ医学書で授業をするのでしょうか?
 それは、医療現場で医師と共に患者治療の最先端に立つ看護師に、医師と同等の栄養学の知識を学んで欲しいとの願いからです。この授業は臨床で医師との意思疎通における栄養学の共通語として、必ず役に立つと信じています。
 大学院での特別講義は「在宅医療における専門職としての栄養士の役割」とし、聴講する学生は訪問看護ステーションに勤務している現役の看護師です。講義時間はかなり少なくなりましたが、学生ではなく現役の専門職に臨床栄養学を講義する奥深い講義です。訪問看護の最前線で日々患者の生命を支える栄養補給のエビデンスを解説したいと考えております。
 「栄養補給の必要のない患者はいません。」栄養学は治療に必須の技術です。
 栄養とは、生きてゆくために体内で行なわれる複雑な化学反応の営みです。看護師という臨床の最前線に立つ医療スタッフの養成として、このような重要な分野にかかわる事を光栄に思っています。
 (社)山梨県医師会を母体とする甲府看護専門学校の栄養学の講義も、引き続き担当します。
 大学院も専門学校も、ホテルの管理栄養士として、美味しく美しい食事療法対応フランス料理提供の職務を続けながらの非常勤です。講義の本筋は外さず、一寸変わった職業の講師ならではの楽しい講義をしたいと考えています。


    山梨県立大学


 公益法人 日本栄養士会  公益法人山梨県栄養士会
  公益法人日本栄養士会は、国民の栄養の確保改善に関し調査研究を行い、栄養に関する国の施策の遂行に協力するとともに栄養士の資質の向上をはかり、もって国民の福祉の増進に寄与することを目的とする公的団体です。大木由枝が所属する、私の栄養士活動の基盤です。
 公益法人日本栄養士会の法人会員として、(社)山梨県栄養士会があります。山梨県在住の皆様には身近な栄養士会として、栄養と食事の正しい情報を発信しています。
   公益法人 日本栄養士会
  公益法人山梨県栄養士会


(社)山梨県病院協会の病院協会フェスティバルで講演いたしました。

 平成16年9月26日(日)午後1時30分より、病院フェステバルで無事に講演を務めました。
 病院協会フェステバルとは、(社)山梨県病院協会が主催し、山梨県民の皆様に健康について気軽に相談でき、必要に応じて検査等も無料で受けられる催しで、毎年開催されています。今年で第14回を迎え、北甲府介護施設アルファケアにて開催されました。講演会も設定され、今年の講師は私大木由枝です。

 演題は、「 食事と健康 −糖尿病・高血圧・高脂血症と食生活の関連− 」です。

 講演対象者は一般県民と伺っていますが、病院協会主催の講演ですので、健康と食事について自然科学の法則を対比させながら、科学的に説明致しました。専門用語は日常の言葉で解説しながら進めますので、一般県民の方でも明解に理解できる講演に配慮しました。また、技術者集団である医師をはじめ病院関係者にも満足できる講演を務る事ができたと思います。

 (社)山梨県病院協会


薬剤師の皆様を対象に食事療法の理論と栄養指導の実践を講演します。

 平成15年12月7日(日)、(社)山梨県薬剤師会関連研究会である山梨ファーマネット研究会で、薬剤師の皆様を対象に食事療法の理論と栄養指導の実践をテーマに、講演を依頼されました。
 (社)山梨県栄養士会でも薬理学の先生をお迎えして、薬物と食事の関係を生涯学習研修会として開催いたしました。生体内の代謝反応では薬剤と食事は共通経路を通過し、代謝酵素の競合が抑制や増強として表面化することがあります。栄養士が薬物代謝を学ぶ必要を感じたからです。
 今回、この逆の立場として、栄養士が食事療法の理論を講演いたします。食事は人間の基本生活の中にあり、保健学上も臨床栄養学上も隣接する専門分野に深くかかわります。薬剤師の皆様は医師の投薬に対する服薬の説明や、薬局での薬物販売における薬の選択や服薬時の注意に、隣接する栄養と食事の知識が必要と考えます。食事療法と栄養指導は栄養士の専門分野であり、隣接する薬剤師の皆様が重要視してくださる事を光栄に思います。
 化学反応の専門家である薬剤師の皆様が満足できる講演をしたいと思います。