栄 養 歳 時 記


 10月 前 期

  

 
枝豆と乾燥大豆と戻した大豆

突然の疑問
−乾燥大豆はなぜ丸いの


 10月前記の栄養歳時期は、突然感じた私の素朴な疑問「乾燥大豆はなぜ丸いの?」です。

 この疑問は解決していません。色々と調べましたが、最終的に自分を納得させる解答が得られないのです。

 昨年から車庫の北側を耕し、パートナーが趣味の家庭菜園を作りました。
 パートナーは、数年前から庭の一部にレンガで仕切った4.86u位の花壇を作り、りんごの木を植え、その足元にトマト・ミニトマト・ピーマン・シシトウ等の野菜の苗を植え、食べられる趣味の園芸をしておりました。そして、とうとう二年前から「ガレージの北側をの斜面を畑にする」と言って、趣味の園芸の拡大計画を立案しました。
 小さなレンガ囲いの畑の収穫を喜んでいましたので、想像できないことはなかったけれど、この宣言には「え!え!え!・・・・」という感じでした。

 小型の耕運機もないので、雑草を草刈り機で狩り、鍬で耕し、赤土なので苦土石灰を蒔き、土に肥料を混ぜ一人でせっせ・せっせと作業をしていました。
 もちろん私もほんの少し手伝ましたけれど、正直申して私はあまり園芸や畑に興味がありません。収穫した作物にはもちろん大いなる興味があります。栄養士ですから。でも、両親とも東京生まれの家庭で育ったので、作物を作る段階にはあまりなじみがないのです。

 八ヶ岳開墾さながらの経過を経て、二年目の我が家の畑では、さやいんげん・枝豆・トマト・ラデッシュ・とうもろこし等などが収穫できました。

 さやいんげんは特に豊作で、次に豊作だったのは枝豆でした。

 我が家の枝豆は甘味があり、軟らかくとても美味でした。収穫したてなので火の通りも早く、沸点上昇のための塩も不用であり、また、塩茹でしてほのかな塩味を添える必要もなく、真水で茹でてそのままが一番美味しいのです。

 この枝豆を味わいながらふと感じました。

 「枝豆は大豆」「大豆は煮豆が美味しい」「枝豆で収穫せず、もう少し育てて大豆として収穫する」「乾燥大豆を作ったら1年中楽しめる」
 このような連鎖反応思考の中、今回の歳時記のテーマ「大豆はさやに入っているときは細長い円形なのに、乾燥大豆はなぜ丸いの? なぜ?」と思いました。

 この程度の疑問ならば、本棚にある食品学の本に当然記載されていると気軽に本を見ましたが、「あれ!書いてない」。そこでインターネットの百科辞典で調べる事に。でも書いていません。
 そこで、奥の手「乾燥大豆はなぜ丸い」と短い文章を検索窓に入れ、検索ボタンをクリックしました。当然何方かのHPに疑問解決の文書があると思ったからです。

 ひとつ検索されました。私と同じ疑問を持った人が「Yahooの知恵袋」に質問していました。
 何方かが答え下さっていて、「表面積を減らすことによって水分の蒸発を抑えます。また、転がりやすくなって遠くへ移動できます。努力してるんです。楕円形は乾燥する前の自然な形です。」と書いてあります。

 しかし、それだけの理由ならば、他の種類の乾燥豆「インゲン豆・うずら豆・高原花豆等は、なぜ乾燥しても丸くならないのでしょうか?」と思えてしまいます。

 そう思うと、せっかくのお答えですが、体積と表面積の関係は十分に納得できても、まだ私の疑問の解決には至らないのです。
「この方の解答を否定するつもりはありません。」理由のひとつには十分に考えられることです。

 ではなせ、乾燥大豆は丸くなり、乾燥うずら豆は生の豆をそのまま小さくした楕円形なのでしょうか?

 大豆とインゲン豆(金時豆・虎豆etc)・うずら豆・高原花豆を比較してみました。この中に解決の糸口となる事柄があるでしょうか?

  乾燥大豆 乾燥インゲン豆等
食品成分表の分類 豆類 豆類
含有栄養素の特徴(100g中) P35.3g F19.0g C28.2g P19.9g F2.2g C57.8g 等
生の豆の外観 細長い楕円系 細長い楕円系
乾燥豆の外観 丸い 楕円系
表皮の外観(肉眼) 透明で薄く子葉の色が透けて映っている(グリンピースも同様) 紫がかった褐色(あずき色)で大豆より厚く子葉の色が透けて映らない(色は皮そのものの色)
表皮の外観(拡大) 無数の穴が開いている(石豆のサイトから) 無数の穴が開いているか分かりません
加熱後の表皮 軟らかくならない 軟らかくなる
加熱後の表皮と子葉の剥離 たやすく剥ぎ取れる 剥がれ難い

 さて、この中に乾燥大豆は丸く、乾燥インゲン豆は細長い楕円系のままの理由があるのでしょうか?

 まずは単純に観察しました。

 大豆の子葉にはたん白質と脂質が多く、インゲン豆の子葉にはでんぷんが多い。
 大豆の表皮は薄く弾力のある硬い特性を持ち、子葉はたん白質グリシニンが多い。
 反面インゲン豆の表皮は大豆表皮に比較すれば軟らかく、加熱すると子葉と同様更に軟らかくなる特性を持つ。
 

 その上で、正しいか分かりませんが、1〜4の事柄から、こんなことも考察できるのではないでしうょうか???
1、 物の形は構成物質の集合として表現される。
2、 たん白質は色々な種類のアミノ酸のペプチド結合であり、アミノ酸には種類が多い。
3、 多種類の物質の結合は複雑で、結合に空間も生じる。
4、 糖質である澱粉(でんぷん)は、グルコースの重合体(同じ物質の塊)なので規則性が高く、空間が少ない。
 従って、
 乾燥させた時、子葉の変形は大豆にほうがインゲン豆より柔軟に対応できる。
 その上、大豆の表皮は薄く丈夫でゴムのような性質があり、伸縮能があり、子葉部分より剥がれやすいので子葉の表面を滑りながら変形できる。
 インゲン豆の表皮は大豆表皮に比べ厚く軟らかく子葉に張り付いている。だから、乾燥時に表面積を最小とする丸い形(球体)になることができない。

 これはあくまでも私の勝手な一考察であり、「乾燥大豆はなぜ丸くなり、乾燥インゲン豆は原形のままなのか」を自分なりに解こうとした努力です。

 この考察は「正しくないかもしれません。」ここを強調させて下さい。

 簡単に解決できそうな疑問であり、されど容易に文献に見つからない私の疑問です。




メモ
[グリシニン]
大豆の主な栄養素たん白質はグリシニン、グロブリンの仲間です。
[子葉]
  豆の全部分より表皮と胚芽を除いた部分にあたり、大豆でいえばいわゆる食用にする大部分です。
本来、子葉とは種子にできる初めの葉を意味しますが、葉と形状が異なるものも多く、マメ科の植物は胚乳を持たないので発芽に必要な栄養分を蓄えています。
[グリンピースの表皮]
  グリンピースは生の豆も丸く乾燥豆も丸いのですが、表皮は大豆の表皮と同じ透明で剥がれ易く、また丈夫です。